2011年04月04日

抗議報告―「今後は台湾を中国領土扱いにしない」と約束したテレビ東京「ガイアの夜明け」を信じたい

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中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。
もしこの島が「中国の不沈空母」と化せば日本は・・・。中国膨張主義に目を向けよ!

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抗議報告―「今後は台湾を中国領土扱いにしない」と約束したテレビ東京「ガイアの夜明け」を信じたい

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■台湾侵略を正当化する宣伝に加担したテレビ東京

本ブログが三月二十三日の記事で報告した如く、テレビ東京が三月二十二日に放送した経済ドキュメンタリー番組「日経スペシャル ガイアの夜明け」で映し出された中国の地図には、台湾もその国の領土の一部として描かれていた。中国を紫、その周辺諸国を緑で表記する中で、台湾が紫になっていたのだ。

だが台湾は中国の領土などでは一切ない。だからこれは明らかなる誤報道である。

しかも単なる誤報ではない。これは、台湾併呑を目論む中共が、その侵略主義政策を国際社会の前で正当化するために行う「一つの中国」なる政治宣伝をテレビ東京が受け入れているがための、許されようのない誤情報散布なのである。

言い換えれば、あの国の侵略主義に加担してしまっているのだ。もし中国が「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部」などと主張していなければ、絶対にこのような虚構地図を描くわけがない。

■二年前の約束を反故―「国民の抗議」より「中国の抗議」を恐れたか

そこでこの番組が、中国の宣伝に従うにあたり、その「嘘」を嘘と知っていたかどうかが問題となる。

テレビ東京は〇九年一月に「よろセン!」なる娯楽番組でも「台湾入り中国地図」を映していた。当時私はそれに抗議するとともに、広く全国に抗議を呼び掛けていた。そこへ同番組のスタッフたちが私を訪ねてきて、地図が誤りであることを認めた。そして社内の勉強会を通じ、二度と同じ過ちを犯さないよう全社内に徹底させると約束した。

だが約束はしても、「国民の抗議圧力」より「中国の抗議圧力」の方が厄介だと判断すれば、そのようなものは平然と反故にしてしまうのだろうか。だが約束はしても、「国民の抗議圧力」より「中国の抗議圧力」の方が厄介だと判断すれば、そのようなものは平然と反故にしてしまうのだろうか。「ガイアの夜明け」の地図のことを知った私は、真っ先にそう感じた。そして放送翌日の二十三日、同局に電話をした。

■中国の虚構宣伝に惑わされる日本のマスコミ

応対に出た番組の小林ディレクターは「地図は誤り。誤報だ」とする私の指摘を理解したようだった(理解できない方が不思議だが)。ただこの問題は「社内で検討する」として、それ以上の話はしなかった。このあたりの経緯は二十三日の報告で書いたとおりである。

さてその後の二十五日になり、今度は番組の大久保プロデューサーから「検討」結果を知らせる電話が来たのだが、そこでその人と私の間で交わされた話を簡単に書き記そう。日本のマスコミ関係者が中国に虚構宣伝に惑わされ(惑わされているふりをしているケースも少なくないが)、台湾というすぐ隣の国に関しての正確な理解力、判断力をどれほど奪われているかがわかるだろう。

まず大久保氏は、「あの地図に問題はない」という番組側の見解を伝えてきた。

それは、「市販の地図では台湾は中国に含まれている」し、「政府見解も(台湾は中国の領土の不可分の一部とする)中国政府の立場を十分理解し、尊重するというもの」との理由だった。テレビ東京は日本のテレビ局である以上、「日本政府の見解に従わなければならない」といっていた。

そこで私はこう返した。「市販の地図が間違っているのだ。テレビ朝日は間違ったものを参考に報道していいのか」と。そして「日本政府の見解は、中国政府の『立場』がそのようなものであることを理解し、尊重するというものであり、中国政府が主張する内容を認めたのではない。政府は台湾を中国領などと承認していない」と。

大久保氏は、これらを理解した。

■番組プロデューサーは中国による「洗脳」が解けたか

だがその一方で、「日本政府は台湾の地位を独自認定する立場にない」との政府見解を持ち出し、「政府は台湾を中国領だとは言わないが、中国領ではないとも言っていない」のだから、台湾を中国領とする地図には問題がないとも主張するので、私は「政府は中国への外交上の配慮により、曖昧な表現を用いるが、しかし中国に帰属するか否かは国際法上、はっきりしていることだ」と伝えた。また「あの地図は、台湾を中国領だと『独自認定』しているではないか。政府見解と異なる」とも指摘した。

また大久保氏は、日本政府は台湾を「国家」と承認していないから、中国領としていいのではないかとも言うので、私は「なぜ『国家』でなければ中国領となるのか」と聞いてみた。そして「日本は戦後、日本領だった台湾を放棄したが、その島を中国(中華民国であれ中華人民共和国であれ)には割譲しておらず、その帰属先は未定のままなのだ、との国際法上の事実を伝えた。

大久保氏は、これらもみな理解した。

私はテレビ東京の報道番組「朝は楽しく!」が〇五年十一月に鳥インフルエンザの感染国を表示する世界地図を使った際、そこには未感染国の台湾が感染国である中国と同一色で描かれていたため、感染国扱いにされるという誤報事件があったことを伝えると、「それはいけない」と批判した。

それで私はこの人が、台湾を中国領と報じることは正しくないと認識するに至ったことを確認した。

「洗脳」が解けたと言ったら、言い過ぎだろうか。

■テレビ東京は中国の圧力を受けていないのか

大久保氏は、テレビ東京が台湾に関する正しい認識を徹底するとした約束を果たしていなかったことを謝罪するとともに、今後は誤った地図を使用しないよう注意すると約束した。

ちなみに私はこの時、「テレビ東京は中国の圧力を受けているのか」と聞いてみた。大久保氏は「圧力を受けていることはないと思う」と答えるので、「では圧力を恐れ、自ら報道を規制しているのではないか。他のテレビ局はそうしているみたいだが」と話すと、「うちの報道を見てくれればわかる」ときっぱり。そして「中国はテレビ東京など相手にしていないのでは」と笑うので、「それは何より。ぜひ真実報道に徹し、多局の模範になってほしい」と激励した。

ただテレビ東京が、これまで何度も抗議され、そしてその都度反省を表明しながらも、それでも「台湾入り中国地図」を使い続けている事実を知る私は、このテレビ局にしても「中国の圧力」に脅えているのだろうなと思わざるを得ないのだ。

それに「ガイアの夜明け」のスポンサーで製作協力もする日本経済新聞社は、「中国・台湾」を「中国本土・台湾」と表記することもある媚中新聞社であることも大変気になる。

今回抗議の呼びかけに応じてくれた方々に感謝します。これからも「中国の圧力」を上回る「国民の圧力」形成を目指して頑張りましょう。

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【参考】3月23日の記事

テレビ東京「ガイアの夜明け」が誤報―台湾は中国の一部ではない/震災救援の恩を仇で返すな!
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1458.html
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発行 永山英樹(台湾研究フォーラム)

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タグ:宣伝戦
posted by 親善大使 at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾は日本の生命線より
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