2011年05月05日

李登輝氏が訴える「台湾国」建設を応援しようー運命の2012年「総統選挙」に向け

taiwan_kenkyu_forum.jpg
*************************************************************************
        
          メルマガ版「台湾は日本の生命線!」

中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。
もしこの島が「中国の不沈空母」と化せば日本は・・・。中国膨張主義に目を向けよ!

ブログ「台湾は日本の生命線!」 http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/

*************************************************************************
李登輝氏が訴える「台湾国」建設を応援しようー運命の2012年「総統選挙」に向け


ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1497.html

■李登輝氏が民進党候補の蔡英文主席の前で

台湾は中国に吸収されて行くのか、それともあくまでも国家主権を守ろうとするのか。中国傾斜政策をひた走る在台中国人主導の国民党に対し、民進党が政権奪取に挑むのが来年一月十四日に予定される総統(大統領)選挙だ。

台湾は東亜の要衝であるから、その日は東亜の命運を分ける日となると言って過言ではないのだが、それに出馬する両党の候補者が四月二十七日、それぞれ決まった。

国民党は現職の馬英九主席で、民進党は蔡英文主席だ。

その蔡氏が三十日、李登輝元総統サイドが主催する憲政問題のシンポジウムで講演を行った。その蔡氏の前で李氏が行った開会の挨拶の中で、注目を集めたのが次のくだりだ。

「台湾には民主制度はあるが正常な国家ではない。民主改革の反動者が国家を握り、台湾の主権意識を歪め、民主主義の発展を弾圧している」

「みんなが団結し、自信さえ持てば、台湾は絶対に制憲、正名ができる」

■台湾を正常な国に変える中華民国憲法の破棄

この発言が、どういう意味を持っているのかを説明しよう。

終戦後に中国での内戦で敗れた中華民国亡命政権(国民党)の独裁支配を受けてきた台湾だが、台湾人の李登輝総統の登場により民主改革が行われ、この島は台湾人を主とする国家に生まれ変わったものの、なお正常な国家とはいえなかった。

なぜなら国家構成の要件である「政府」「住民」は満たされているが、もう一つの「領域」が判然としていないからだ。なぜなら四七年に中国で制定された台湾現行の中華民国憲法が規定する領土とは、今の中華人民共和国の領土と重なっているからである(ちなみにかつて日本領だった台湾は、そこには含まれていない)。

これを見てもわかるように、中国を自国の領土とする国民党の独裁政治による洗脳を受けてきた台湾人はかつて久しい間、中国を祖国と勘違いし、主権意識を混乱させてきたわけだが、今や反動的な馬英九政権が、再び台湾を中国の一部にしかねないような政策に回帰していると、李登輝氏は批判しているのだ。

そして台湾人は台湾人意識をしっかり確立して自信を持つなら、台湾自身の憲法を制定し(制憲)、台湾の国名を中華民国から台湾国へと正し(正名)、この国を中国とは無関係な、正真正銘の台湾人の国へと作り変えること(建国)ができるとアピールしているのである。

■国民党の馬英九氏は中国との統一を望んでいる

国民に大きな影響力を持つ李氏の砲撃に慌てた国民党からは、文化伝播委員会の蘇俊賓主任委員が反撃に出た。「馬総統が就任した後、二十三ある有国交国のうち、一つも失っていない。WHOへのオブザーバー参加も果たした」として、国民党政権が国家の主権と尊厳を守っていると強調したが、これはペテンではないか。

たしかに同党政権発足後、台湾はこのように表面上は外交空間を狭められていないかに見えるが、それは中共の要求に応じて「一つの中国」を承認するという、台湾の主権と尊厳を自ら放棄するような姿勢に出たため、あたかもそれへの「ご褒美」の如く、中共は外交封鎖を緩和して見せただけなのだ。

この日、「民主を利用して反民主をやり、聯共治台(中共と連携して台湾を治める)をやっていると馬氏を痛罵した李氏。「棄馬保台(馬英九を棄てて台湾を守れ)」と訴えた。

一方馬氏だが、こちらは四月二十六日、独誌デア・シュピーゲルとのインタビューで、「台湾は最終的には中国との統一を避けることはできないのか」との質問に対し、「台湾人民は我々の憲法に基づいて台湾の未来に関する決定を行うべきだ」と語っている。

この発言について自由時報は「馬氏が台湾人民は憲法に基づいて未来を決めるべきと言ったのは初めて。我が国の戴く憲法とは『一中(一つの中国)憲法』であり、彼の台湾の最終的な前途に対する見方は明らかだ」と指摘した。

■日本人と台湾人ならスクラム組める

民進党立法院党団の翁金珠書記長は「私たちは絶対に受け入れることはできない。この一中憲法は台湾の現状には符合しない。台湾の前途は二千三百万人の台湾人民が決めるべきだ」と批判した。

翁氏また「李登輝氏は制憲正名を行うべしと訴えた。蔡英文氏も憲法は改革すべしとの考えだが、馬英九氏は憲法に触れようとしない」と強調したが、台湾併呑を正当化するため、「一中」を宣伝するのが中国なら、「一中憲法」を捧持して中国への降伏を正当化しようというのが馬英九氏なのだ。

このような台湾の危うさは東亜の危うさ、日本の危うさである。だから「制憲正名」(=台湾建国・中華民国体制からの台湾独立)が行われれば武力を発動すると宣言している中国の妄動を、本来なら日本は阻止に乗り出さなければならないはずだ。

たとえば、台湾人の建国の権利擁護を国際社会に訴える必要があるだろう。

台湾との連帯を表明し、この国の人々に自信と勇気を与えることも大切だ。

そしてそれから何と言っても、中国国内に噴出している諸矛盾に付け入り、中共の無力化、解体を、日台が連帯してやらなければならないのである。

今次の日本の大震災で、我がことのように日本を心配してくれている台湾の民族性を見ても、日本と台湾なら中国の脅威の前でがっちりとスクラムを組むことができると思うのだが。

■「台湾国」が生まれれば日本にも夢のよう

それから、これほど善良な民族であるからこそ、何としてでも完全なる「台湾人の台湾国」を建国してもらいたいとの思いもある。

もしそれが達成されれば、日本のすぐ隣に、兄弟のように信頼できる国家が生まれることになるだろう。それは本当に夢のような話だ。

ちなみに、中央研究院の社会学研究所が最近公表した世論調査によると、国民党政権による中国との経済交流の進展を受け、「政治的主権の危機を感じる」は六二%。「統一に反対」は六四%。「統一に賛成」は二一%と近年減少傾向で、「台湾独立に賛成」の四七%を大きく下回っている。もし中国が台湾の独立、建国に反対するのを止めれば、もっと多くが「台湾独立」に賛意を示すことは間違いない。

とにかくまずは、総統選挙における蔡英文氏の健闘を、日本人として祈ってやまない。
*************************************************************************

メルマガ版「台湾は日本の生命線!」

登録・バックナンバー
http://www.melma.com/backnumber_174014/ 

発行 永山英樹(台湾研究フォーラム)

運動拡大のため転載自由 

ご意見等: mamoretaiwan@gmail.com 


━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━
posted by 親善大使 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾は日本の生命線より
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44898329

この記事へのトラックバック