2012年09月13日

【知道中国 771回】嗚呼、確乎不動で高邁無辺のウソ八百

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
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【知道中国 771回】          一ニ・六・三〇

   ――嗚呼、確乎不動で高邁無辺のウソ八百

芒市政府庁舎本館の吹き抜けになった玄関ホール に立つと、「政府自らの建設
を推進し、政府工作の改革を効果的に促進し、行政機関の作風を好転させ、行政
効率を高める」 ことを目指そうという「四項制度」が誇らしげに掲げられていた。

先 ず「法治政府四項制度」は「重要国有資産処理監査制度/重要資源開発利用
項目監査制度/重要投資項目監査・決算制度/重 要財政追加予算・支出監査制
度」。 「責任政府四項制度」は「行政問責制度/服務承諾制度/上司問責制度
/期間内完結制度」。「陽光政府四項制度」なる項目 があるが、この「陽光政
府」の意味 が判らない。「重要施策公聴制度/重要項目公示制度/重点工作通
報制度/政務情報審査制度」なる内容細目から判断して、 「陽光政府」とは高
い透明性と住民 本意の政策を進める政府ということのようだ。最後が「功能政
府四項制度」で、「行政成果点検制度/行政コスト削減制度/ 行政行為監督制
度/行政能力向上制 度」となっている。

この方針が徹底され市政府関係者全員が粉骨砕身 と、いくわけがない。だから
こそ、案の定、その隣に全員が拳々服膺すべき2種類の細則が別に掲げら れてい
るわけだ。

先 ず「行政問責事項」。「こんなことをすると責任を問われ罰せられるぞ」と
いったところだろう。「(一)命令事項を執行せ ず、禁止事項を行う。(二)
独断専 行し、施策を誤る。(三)職権を濫用し、違法な行政を進める。(四)
ダラダラ仕事を引き延ばし、責任を転嫁する。(五) 積極的でなく、日々を凡
庸無為に送 る。(六)上司を騙し部下にウソをつき、デタラメに振る舞う。
(七)執務態度は冷酷で、仕事ぶりは粗暴である。(八)公 費を浪費し、遊興
に明け暮れる。 (九)業務を秘密裏に処理して、監督逃れを図る。(十)監査
に努めず、いい加減に処理する」の10項目である。

続 いて「国家工作人員十条禁令」は、「一、本来の職務を遂行せず、職務を疎
かにすることは厳禁。二、ウソで固め、上司を騙 し部下を誑かし、業務を執行
せず、 引き伸ばすことは厳禁。三、物資購入の際に横流し、公共工事入札の際
に手心を加えることは厳禁。四、職務権限をタテに相 手業者に金銭、食事を強
要すること は厳禁。五、賭博に加わることは厳禁。六、公共の場での麻雀は厳
禁。七、飲酒でイザコザを起こし、業務に支障をきたすこ とは厳禁。八、勤務
時間中に本来業 務を怠ることは厳禁。九、公金を高額遊興費に流用することを
厳禁。十、如何なる理由があれ薬物の使用を厳禁」と10項目だが、特に厳禁とせ
ざるをえないほどに横行している行為なのだ。

上 に政策あれば下に対策あり。傲慢無比で理不尽極まりない独裁政権に対抗す
る中国庶民の智慧だが、市政府のなかでも、当然 ながら十二分に通用する。市
政府の エライさんが上から「四項制度」などという出来もしない方針を麗々し
く並べ立てて働けというなら、「イイデスヨ、コチト ラは仕事をせずに徹底し
て自己 チューでいきますよ」である。

1年365日、朝から晩まで仕事をしない。適当に口実をつけては仕事 をサボり引
き伸ばす。公共事業 入札に手心を加える。出入り業者に金銭や供応を強要す
る。賭博や職場での麻雀に興ずる。業務に支障をきたすほどにタダ酒を鯨 飲す
る。勤務時間を守らない。 公金で遊びまくる。薬物に慣れ親しむ――「問責」
「厳禁」なんて屁のカッパ、蛙の面に・・・。

ところで玄関ホール中央の大きな衝立には毛沢東 の書体のままに大きく「為人
民服務 毛沢東」と・・・そうか、市政府関係者全員は毛沢東の教えを活学活用
してるんだ。《QED》
posted by 親善大使 at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 樋泉です。
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