2012年04月08日

【知道中国 735回】これが中国経済の“超成長の秘密”を解くカギ・・・かな

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 735回】  一ニ・四・初四

 ――これが中国経済の“超成長の秘密”を解くカギ・・・かな

 『我国古代以弱勝強的戦例』(柯理編写 人民出版社 1973年)


 毛沢東は『中国革命戦争的戦略問題』『論持久戦』『抗日游激戦争的戦略問題』を著し、紀元前684年から紀元後の383年までの1000年余りの間に戦われた10回の戦争を、「弱い軍隊が強大な軍隊に勝利できた輝かしい思想を闡明にするための我が国古代の有名な戦例」と位置づけ論じている。これらの戦いで弱軍を勝利に導いた最大の要因こそが「正確な主観指導」であり、毛沢東が「示した正確で透徹した論述を、我われは真剣に会得し学習しなければならない」というのが、この本の狙いのようだ。

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2012年04月03日

【知道中国 734回】『矛盾論』の賞味期限は切れてしまった・・・のか

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 734回】 一ニ・四・初二

 ――『矛盾論』の賞味期限は切れてしまった・・・のか

『学習《矛盾論》例選』(上海師範大学中学教学研究組編 上海人民出版社 1974年)

 毛沢東が物事は内部に抱える矛盾・闘争によって発展するという考えを最初に打ち出したのは、1937年の延安における講演だった。52年は、この考えを大幅に整理し『矛盾論』として発表した。以後、毛沢東哲学の代表作として評価は定着するが、“タネ”を明かせば、ソ連の哲学教科書パクリにレーニン式弁証法(対立物の統一)の焼き直しとの指摘もある。

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2012年03月31日

【知道中国 733回】森羅万象、凡て「毛主席」の御意のままのはず・・・だった

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 733回】 一ニ・三・三一

 ――森羅万象、凡て「毛主席」の御意のままのはず・・・だった

 『毛主席的五篇哲学著作中的歴史事件和人物簡介』(人民出版社 1972年)

 「毛主席は歴史学習を一貫して重視してきた」。「歴史学習は革命の導き手が指し示す革命の道理を我われがより的確に身につけ、内外における現在の階級闘争の形勢を正確に理解することを助け、かくして我われの階級闘争、路線闘争、プロレタリア独裁下での継続革命への覚悟を高める」。そこで『実践論』『矛盾論』など毛沢東の代表的な哲学著作において言及されている歴史的な事件や人物にかんする知識を、「学習に即応させるべく、簡単明瞭に要点を絞り、重点的に提供しよう」と出版されたのが、この本ということになる。

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2012年03月29日

【知道中国 732回】以って他山の石とする・・・わけがない

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 732回】 一ニ・三・念九

 ――以って他山の石とする・・・わけがない

 『主要資本主義国家経済簡史』(壄・宋・池・郭・朱編著 人民出版社 1973年)

 この本は「資本主義が発生・発展し衰亡に向かう歴史を読者が全面的に理解することを助けるため」に、英・米・仏・独・日の「5つの主要資本主義国家経済の発展過程を具体的に綴っている」。だが、「我われのプロレタリア革命事業必勝への信念を強め、我われのプロレタリア国際主義の覚悟を高め、毛主席のプロレタリア階級革命路線をより深く理解し推し進め、全人類の徹底した解放のために英雄的な闘争をなす」という大前提があることを忘れてはならない。つまり「全人類の徹底した解放のため」にこそ「5つの主要資本主義国家経済」の「衰亡に向かう歴史」を学ぼうというわけだ。

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2012年03月27日

【知道中国 731回】悲惨、無惨、鬼気、幽鬼・・・怨霊たちよ、語れ

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 731回】 一ニ・三・念七

 ――悲惨、無惨、鬼気、幽鬼・・・怨霊たちよ、語れ

 『大飢荒口述実録』(牛犇 天地図書 2011年)

 著者は、安徽省の極くありふれた農村だった阜陽県牛塞大隊の村人たち(男女合わせて40人ほど。1960年当時の年齢は、下は8歳から上は44歳)にインタビューし、毛沢東が提唱した大躍進政策が引き起こした飢餓地獄をどのように潜り抜けてきたかを語らせる。

 裏表紙には「飢餓は統計でも歴史資料の収集でもなく、肉体が受ける痛苦であり生命の弱さの真実の現れである。飢餓の極点では、生死の境で蒼天に向かって問いかけるべき言葉もない。生死の境を彷徨い生き抜いた老人たちが語る飢餓の苦境を読むと、それはまさに生きた地獄そのものだ」「飢餓は人々に人倫を忘れさせ、自尊心を失わせ、良知を抹殺させてしまう。いま、彼らが口から搾り出すように語る文字に接すれば、慄然としないわけにはいかない」とあるが、なにはともあれ、農民たちの話に耳を傾けてみよう。

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2012年03月25日

【知道中国 730回】へリクツ、いいがかり・・・天に向かって吐いたツバ

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 730回】 一ニ・三・念五

 ――へリクツ、いいがかり・・・天に向かって吐いたツバ

 『反動階級的“聖人”――孔子』(楊栄国編写 人民出版社 1973年)

 中国には万巻の古典から片言隻語を掻き集め、ゴ主人サマの意に沿うような“大文章”を自由自在にデッチあげ、ゴ主人サマに尻尾を振り、ゴ主人サマにとっては不倶戴天となる政敵潰しの片棒を懸命に担ぐ学者商売がある。もちろん、ゴ主人サマがコケて権力の舞台から転げ落ちれば、「水に落ちた犬に石を投げつけろ」の格言を忠実に守って、昨日までのゴ主人サマに向かって懸命に石を投げつける。投げつける石がなくなると、また新しいゴ主人サマ探しを始める。こういった太い神経を持つ懲りない面々を筆杆子ともいう。

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2012年03月21日

【知道中国 729回】いまこそ「人民内部の矛盾を正確に処理しよう」ではありませんか・・・

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 729回】 一ニ・三・念一

 ――いまこそ「人民内部の矛盾を正確に処理しよう」ではありませんか・・・

『《関於・・・問題》浅説』(《〈関於・・・〉浅説編写組》 上海人民出版社 1974年)

 毛沢東は、1957年2月の最高国務院会議で社会主義国家が抱える矛盾を人民内部の矛盾として解決すべきだと語っている。それを「関於正確処理人民内部矛盾問題(人民内部の矛盾を正しく処理する問題について)」と名づけ『人民日報』(6月14日)に発表している。

 この本は、「毛主席のこの著作は、我が国社会主義革命が将来にわたって前進可能か否かの極めて緊張した時期に発表された」とする。発表1年前の56年には毛沢東の定めた方針に従って「農業、手工業と資本主義工商業に対する社会主義改造を基本的に完成させ、社会主義所有制は我が国における唯一の経済基盤となった」。ところが当時、毛沢東路線に反対する劉少奇を筆頭とした「党内に潜伏していた叛徒」たちが「『階級闘争消滅論』を大声で喚き散らし、『社会主義と資本主義の間のどっちが勝利したという問題は、すでに解決した』『階級闘争は基本的に終わった』などとほざきまくり」、「一心不乱に生産に励めばいいんだ」などとガナリ立て、「修正主義の誤った考えを推し立てて資本主義復活への陰謀を卑劣にも画策していた」――

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2012年03月19日

【知道中国 728回】2021年、共産党創立百周年式典を仕切るのは誰だ

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 728回】 一ニ・三・仲八

 ――2021年、共産党創立百周年式典を仕切るのは誰だ

 去り行く胡錦濤とその派閥が、次期とされる習近平と習に繋がる派閥の骨抜きを狙った。やはり共産党最高権力はスンナリと次世代に受け継がれることはないということだろう。

 1911年に勃発し清朝崩壊とアジアで最初の立憲共和制の中華民国建国への道を拓いた辛亥革命の百周年を祝う式典が大々的に行われたのは、昨年のこと。胡錦濤が主宰した秋の北京での式典に7月に死亡説が流れた江沢民が登場し、健在振りを内外にアピールしたことは記憶に新しいところだ。

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タグ:百周年
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2012年03月18日

【知道中国 727回】歴史認識なんて・・・出任せの方便ですよ

<樋泉克夫愛知大学教授コラム>
chido_chugoku_image.jpg 【知道中国 727回】 一ニ・三・仲七

 ――歴史認識なんて・・・出任せの方便ですよ

『《斉民要術》及其作者賈思勰』(浙江農業大学理論学習小組 人民出版社 1976年)

 『斉民要術』が対象だが、前回(726回)で取上げた『《斉民要術》選注』の1年前(76年)の出版だ。76年から77年の1年間に毛沢東の死と四人組逮捕という事態が発生。驚天動地の大異変に、さしもの文革も幕を引かざるをえなくなってしまった。なにせ毛に四人組を加えた文革推進集団の“五人組”がコケてしまったわけだから。ところがこの本は五人組健在当時に出版されていただけに、文革が現在進行の形で色濃く反映されている。

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